認知症予防と食養 知的活動は・・・

認知症の症状が出始めた高齢者でも、恋人や仕事を

任せられていきがいができると、症状が改善されたという例があります。

恋愛感情や知的活動は、脳を活性化させます。

東洋医学では、脳の働きと腎は赤く関係していると考えます。

腎というと腎臓や膀胱のみならず、知的活動や生殖機能もつかさどっています。

また、認知症を氣・血・水で考えると、

氣のめぐりが悪い場合、瘀血により脳の血流が悪い場合、

水=腎の精気不足の場合と3つに分けて考えます。

では、食養は、氣の場合は、シソ・ユリ根など。

瘀血の場合は、緑葉色野菜やサフランなど。

腎の精気不足の場合は、すっぽん、烏骨鶏の卵、鶏がらスープなどが

良いと言われています。

漢方では、半夏厚朴湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、柴胡加竜骨牡蠣湯、

桂枝茯苓丸、桃核承気湯、小建中湯、五苓散、八味地黄丸などを

タイプ別に使います。

痛風と食養 プリン体が・・・

痛風は、突然、足の関節に激痛が走り、人が近くを通って

風があたったりしただけでも痛みを感じます。

場所は、足の親指の関節です。

早ければ2~3日、長くても一週間で自然に治まります。

しかし、何ども繰り返すと、痛みが全身の関節に広がり、

発作の回数も増えて痛みも増します。

タイプで分けてみると、

・肝臓が弱っている

・水分代謝異常

・瘀血

痛風は、美食家やお酒をたくさん飲む人と言われていますが、

アルコールよりも濃い味の物の食べ過ぎとカロリーオーバーが

原因の場合がほとんどです。

一般的には、プリン体の少ない食品に切り替えるといいと言われています。

ご飯、イモ類、そば、海藻、ニンジン、ゴボウ、キャベツなどです。

漢方では、患部の炎症が激しい時には、越婢加朮湯を使います。

体質改善としては、五苓散、小柴胡湯、大柴胡湯、防已黄耆湯、桂枝茯苓丸

などを体質別に使い分けます。塩分、油分の取りすぎに気をつけましょう!

むくみと食養 水の流れが・・・

東洋医学では、むくみを「水腫」といいます。

氣・血・水のなかの水の流れが悪くなっているということ。

水腫のなかでも2つに分けて考えます。

一つは風寒、風熱、湿などの邪によって起こるもの、

もうひとつは、腎の弱りによっておこるものです。

では、むくみによい食べ物は?

アズキ、ハトムギ、スイカ、トウガン、コイ、フナなどです。

逆にむくんでいるときに控えるものは?

餅や赤飯のようなもち米を使ったもの、ギンナンなどです。

味の濃いもの、外食、コンビニ食、麺類の食べ過ぎは、

むくみの原因になりますので注意してください!

もうひとつ大切なことがあります。

夜遅くに食べないことです。

漢方では、麻黄湯、防已黄耆湯、五苓散、越婢加朮湯、麻杏薏甘湯、

八味丸などを良く使います。

不眠症と食養 アルコールを・・・

不眠症には、寝付けない、眠りが浅くよく夢を見る、

夜中に目がさめるなどいろいろなバターンがあります。

漢方では、不眠を3つに大きく分けます。

氣・・・神経質で細かいことが気になり、何かあると心配・不安になるタイプ。

血・・・頭に血が上り興奮しやすいタイプと瘀血タイプ。

水・・・恐怖感を覚えやすく、もともと腎系が弱いタイプ。

食養は?シソやシナモンが不安感や氣を鎮めます。

アルコールを飲んで寝ている人は、

本当の睡眠がとれていない場合が多く、

長年続けていると、アルコールを飲まないと

寝付けないという状態になりやすいので

飲まなくても寝られるようにしたいものです。

漢方では、半夏厚朴湯、桂枝加竜骨牡蠣湯、

柴胡加竜骨牡蠣湯、桂枝茯苓丸、桃核承気湯、

真武湯、苓桂甘棗湯、苓桂朮甘湯、四逆散などを

タイプ別に処方します。

寝汗と食養 朝スッキリ・・・

寝汗を東洋医学では、「盗汗(とうかん)」といいます。

健康人でもコップ一杯程度の寝汗はかいていますが、

なかには必要な水分まで排泄されている場合は、治療が必要です。

ポイントは、寝汗で目が覚めたり、朝スッキリ起きられず、

昼間もだるく、一日中倦怠感を伴う場合です。

慢性病でカラダが衰弱している人によくみられます。

水分代謝異常や体の中に熱がこもっている場合があります。

では、どんな食べ物がよいのか?

ヤマイモ、鶏肉、玄米、ゴマ。大豆などがお勧めです。

もち米は、病中病後、産後で体力がなくなって寝汗をかく場合に、

体力回復の栄養食として昔から利用されていました。

体に中に熱がこもっているタイプには、ダイコン、ドウガン、生野菜を

多く取ると良いでしょう!

漢方では、防已黄耆湯、黄耆建中湯、桂枝加黄耆湯、

柴胡桂枝乾姜湯、白虎加人参湯などをタイプ別に使い分けます。

慢性疲労症候群 6か月以上続くと・・・

一般的な慢性疲労と間違われやすい病気に、

慢性疲労症候群というものがあります。

普通に元気だった人が、突然、倦怠感、脱力感、関節痛、抑うつ感に襲われ、

それが6か月以上続くものです。

この病気は、原因不明といわれ的確な治療法がないと言われています。

これといった治療法がないという病気には、漢方の出番です。

氣・血・水の乱れを正すことで自然治癒力を引き出します。

疲労と食養 胃腸の働きが・・・

東洋医学では、疲労のことを虚労(きょろう)といいます。

過労や暴飲暴食などで胃腸の働きが弱った場合と

虚弱体質や病後によくみられる場合の2つのタイプがあります。

私は幼少期虚弱体質と言われていました(今でもそう信じています)。

私の生活を見ていると、ビールは飲むし、タバコは吸うし、夜更かしはするし

どこが虚弱体質?と思われているかもしれません。

しかし、三つ子の魂百までといわれるように

何かあると虚弱体質だからと不安になることが多々あります。

ところで疲労に良い食べ物は?

胃腸が疲れている、いわゆる内臓疲労からくるだるさ、倦怠感は、

何を食べるというより、食べないことが一番。

もし食べるとすると、ヤマイモ、ニンジン、大根がよいといわれています。

一方虚弱体質の人は、漢方での体質改善が良いでしょう!

貧血と食養 チョコや氷を・・・

貧血のタイプを大きく3つに分けます。

・胃腸機能低下・・・貧血は胃下垂の人に多く見られ、胃腸が弱く、食欲もなく、

冷え、ストレスですぐに下痢をする傾向にあります。

・婦人科系が弱い・・生理痛や生理不順があって貧血を起こしやすいタイプ。

・血液成分不足・・・白血球、赤血球もあらゆる血液成分が不足しているタイプ。

では、貧血には何が良いのか?

胃腸機能が弱い人・・・ダイコン、ニンジン、ヤマイモ、梅干など。

婦人科系が弱い人・・・レバー、プルーン、ヨモギ、サフランなど。

血液成分が不足・・・・レバー、ホウレンソウなど。

漢方では、人参湯、補中益氣湯、芎帰膠艾湯、当帰芍薬散、温経湯などを

その人の体質に合わせて選びます。

やせ過ぎと食養 食べ過ぎても・・・

世の中には、太りたいという漢方相談もあります。

やせすぎの人は、胃腸が弱い場合とストレス性があります。

胃腸が弱くて栄養を吸収できない場合、胃下垂を起こしている場合が

あり、胃腸が冷え、冷えるとすぐに下痢をすることが多いという特徴があります。

ストレスが原因となっている場合は、食べなくては

もっとやせてしまうという強迫観念から食べること自体がストレスになります。

では、食養は、サンショウの実、ショウガ、クローブなど胃腸を温めるもの。

ストレス性の場合は、シソ、ユリ根、ナツメ、サンザシなどが効果があります。

漢方の場合は、小建中湯、黄耆建中湯、人参湯、真武湯、苓桂甘棗湯、

柴胡桂枝乾姜湯、柴胡桂枝湯、四逆散などを使い分けます。

肥満と食養 イライラすると・・・

肥満の漢方相談を最近よく受けますが、

巷のさまざまなダイエット法をいろいろ試すよりも、

太りにくい体質になるための考え方、生き方(生活習慣)

変えたほうが確実に改善することができます。

肥満を氣・血・水で漢方的に見て観ると・・・

氣・・・ストレスでイライラすると食べることで解消しようとします。

血・・・瘀血のための婦人科系の変調や便秘によるもの。

水・・・水太り(むくみ)老廃水を溜め込む。

自分がどのタイプなのかを知る必要があります。

では、食べ物は?

ストレスがある場合、甘いものを食べてしまいがちですが、

カルシウムの多いもの小魚、小松菜などや、

シソ、ユリ根は、精神鎮静作用があります。

瘀血タイプには、ニラ、サフラン、ベニバナなどがお勧め。

冷え症の人は、カラダを冷やす生野菜、果物、甘いものは控えます。

水分代謝が悪くむくみやすい人は、アズキ、ハトムギ、黒豆などがお勧めです。

一方、尿の出を悪くするもち米類、ギンナンなどは避けましょう!

漢方は、氣・血・水のどの部分に変調があるかを見極め、

その人に合った漢方を選べば、食べ物をあまり気にせずに

自然と本来あるべき体型になっていくものです。

その結果として、漢方だけで10キロぐらいは当たり前で

半年で30キロもやせた人もいます。

まずは、体調がよくなる漢方を探すことです。