柴胡桂枝乾姜湯  頭に汗が・・・

生薬

柴胡、桂枝、カロコン、黄芩、牡蠣、乾姜、甘草、以上7味。

効能・効果

体力が弱く、冷え症、貧血気味で動悸、息切れがあり神経過敏なものの次の諸症:

更年期障害、血の道症、不眠症、神経症、咳、痰、気管支喘息、気管支拡張症、

胃酸過多症、胃潰瘍、胃下垂、胆嚢炎、胆石、肝炎、黄疸、結核性腹膜炎、腎炎、

ネフローゼ、腎盂炎、糖尿病、パセドウ病、ノイローゼ、腰痛、肩こり、めまい、

じんましん、耳下腺炎、中耳炎、蓄膿、皮膚炎、頭部湿疹、

帯状疱疹、眼病、歯槽膿漏など・・

柴胡桂枝乾姜湯は、小柴胡湯のなかの半夏がカロコンに、生姜が乾姜に、

大棗が牡蠣に置き換えられ、さらに人参が桂枝に代わったものと理解できます。

つまり、半夏の利水ではなく、カロコンで渇きを止め、潤いを与え、

大棗の代わりに牡蠣で鎮静を強くし、生姜の利水ではなく、

乾姜で温めるとしたと言われています。

柴胡加竜骨牡蠣湯ともに神経質で動悸がしやすく、不眠があります。

違いは、頭から汗がでるかどうかで見分けます。

更年期障害で頭からの汗が止まらないという人に良く使いよく効きます。

また、若くても体力が低下した時の腰痛などにも使います。

とくに背中全体がパンパンに硬くなり、

亀の甲羅状態になってしまった場合にも使います。

やりだしたらトコトンやってしまうタイプの人に良く効きます。

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柴胡加竜骨牡蠣湯  センサーが・・・

生薬

柴胡、半夏、茯苓、桂枝、大棗、人参、竜骨、牡蠣、生姜、大黄、以上10味。

効能・効果

精神不安があって、動悸、不眠などを伴う諸症:

不安、不眠、更年期障害、統合失調症、てんかん、耳鳴り、日射病、便秘、

夜泣き、神経症、ノイローゼ、ヒステリー、バセドウ病、狭心症、心臓弁膜症、

心悸亢進症、心臓喘息、むくみ、小便不利、めまい、麻痺など。

柴胡加竜骨牡蠣湯の人は、音、光、臭いに敏感、つまり感覚器のセンサーが

感度が良すぎるがゆえに、精神不安や恐怖感が人よりも強くなり、

それが様々な症状を引き起こします。

また、人前に出るのも嫌いで緊張しやすいタイプで

手、足の裏、脇に汗をかきやすく、

動悸を起こすことがあります。私もこのタイプで怖がりです。

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五苓散 口喝があり・・・

生薬

猪苓、茯苓、沢瀉、桂枝、白朮、以上5味。

効能・効果

小便の出が悪く、口喝、めまい、頭痛、片頭痛、浮腫などを伴うもの、

腎炎、ネフローゼの浮腫、

急性腸炎、消化不良、食中毒などの嘔吐、下痢、胃拡張、胃下垂、胃液分泌過多症、

糖尿病、尿毒症、脳症、てんかん、メニエール、日射病、熱射病、夜尿症、結膜炎、

皮膚病、掌蹠膿疱症、ヘルニア、三叉神経痛、船酔い、二日酔いなど・・・

五苓散の構成は、桂枝をのぞく4味は、すべて利水剤で停滞している水を除きます。

余分な水がどこにあるかで症状は変化します。

たとえば頭に余分な水があれば頭痛になり、その水が頭の中を移動すれば、

痛みもそれにともない移動します。

胃の中に水があれば、吐き気、腸にあれば下痢というように変わります。

水を飲むとすぐに吐いてしまうようなときは、お湯も受け付けません。

そんな時は、重湯なければ、くず湯に五苓散を溶かして

少しずつ飲んでみてください!

どんな人に合うのか?

アルコールをよく飲む人、食べ過ぎてしまう人または、

甘いものを食べ過ぎてしまう人などで、

小便の出が悪い人、何回も出ていても尿量が少なく、

勢いがない人で口が渇いている人が目安になります。

アルコール好きの人は、必ず寝る前にコップ一杯の水で五苓散を

飲んでから寝てください。

翌日の口の渇き、カラダのだるさが変わります・・・お試しあれ!

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呉茱萸湯 吐き気のある・・・

生薬

呉茱萸、人参、大棗、生姜、以上4味。

効能・効果

みぞおちが膨満して手足が冷えるものの諸症:

頭痛、頭痛に伴う吐き気、しゃっくり、胃炎、胃酸過多、胃潰瘍、逆流性胃炎、

よだれ、唾液、胃液が大量に口から出るもの、片頭痛、尿毒症、ひきつけ、脳腫瘍、

中枢神経疾患、めまい、足冷え、のぼせなどなど・・・

呉茱萸の薬効成分は、シネフリン。

シネフリンには、βアドレナリン様の薬理作用があり、

血管収縮剤として使われています。

呉茱萸湯は、胃がもたれ、手足が冷たく、のぼせ症で

赤い顔をしている人の頭痛に効くといわれます。

特徴は、頭痛で吐き気をともないます。

普通は、吐いてしまえばすっきりしますが、呉茱萸湯の場合は、

吐いた後ますます胸苦しくなります。

このような場合、呉茱萸湯を一気に飲むとはいてしまうので、

ゆっくりと湿らせるように飲むことです。

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桂麻各半湯 じんましんに・・・

生薬

桂皮、芍薬、大棗、生姜、甘草、麻黄、杏仁、以上7味。

効能・効果

風邪で急な咳、微熱、頭痛、悪寒、またはこじれた風邪、

じんましん、皮膚炎などで赤く、かゆみがあるもの。

桂麻各半湯の構成は、桂枝湯が1/3、麻黄湯を1/3の1量を合方したものとあります。

桂麻各半湯という名前から桂枝湯と麻黄湯を

半分ずつ合わせればという人もいますが、

本来は、桂麻各半湯は、桂麻各半湯であり、半分ずつ合わせたものとは異なります。

じんましんで全身が赤く腫れ上がり、かゆみと痛みのあるものを1服で引いてしまった

人もいます。また、虫刺されの腫れとかゆみにもよく使います。

注意点としてじんましんには、よく使いますが中毒疹でないことと、

腹部にはできていないことを確認することが大切です。

桂枝茯苓丸  血液サラサラに?

生薬

桂枝、茯苓、牡丹皮、桃仁、芍薬、以上5味。

効能・効果

のぼせ症で、頭痛、肩こり。めまい、下腹部痛、足腰の冷え、

うっ血などを伴うもの。

月経不順、月経困難、婦人更年期障害、打撲傷、耳鳴り、腰痛、神経症、高血圧、

動脈硬化症、腎炎で瘀血性浮腫、甲状腺腫、神経痛、

皮膚炎、目のくま、しみ、しもやけ、

蓄膿症、結膜炎、子宮筋腫、子宮内膜症、不妊症、婦人科系疾患全般。

牡丹皮と桃仁は、瘀血を除き、桂枝は、牡丹皮、桃仁とともに気血をめぐらし、

茯苓はも水分の停滞を調節し、芍薬は、うっ血を散らし、

筋肉の緊張、弛緩を調節します。

桂枝茯苓丸は、守備範囲が広い漢方で、婦人科系の疾患には、欠かすことのできない漢方です。

とくに、子宮筋腫、内膜症には、よく使われます。

冷えのぼせとありますが、のぼせに関しては、

本人が自覚している場合はほとんどありません。

味が飲める人は、飲み続けることで女性ホルモンの調節機能もよくなり、

ベースとして飲んでいると血流の流れもよくなり、

婦人科系だけでなく様々な症状にも効いてきます。

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桂枝人参湯  こめかみの・・・

生薬

桂枝、人参、白朮、甘草、乾姜、以上5味。

効能・効果

胃腸の弱い人の次の諸症:

頭痛、動悸、慢性胃炎、胃アトニー、風邪の水溶性下痢、

急性大腸炎の初期、胃腸虚弱者の常習性頭痛、心悸亢進などとあります。

桂枝人参湯は、桂枝湯に人参を加えたものではなく、

ベースは、38人参湯に桂枝を加えたもので、桂枝、甘草は、体表面の熱をさまし、

人参湯で胃腸の冷えを取っていきます。

桂枝は、体表面を整え、人参、白朮は、胃に溜りやすい水を取って、

胃にエネルギーを与え、乾姜、甘草は、胃腸を温めてカラダを整えます。

日ごろから、胃腸虚弱で消化力が低下し、

下痢しやすい人の風邪や常習性頭痛にも使います。

とくにこめかみの痛みが出やすい人が目安になります。

また、安定剤、抗生物質剤の多用による下痢に使うときもあります。

桂枝湯  汗かきの・・・

生薬

桂皮、芍薬、大棗、生姜、甘草、以上5味。

効能・効果

体力か衰えた時のかぜの初期:

頭痛、さむけ、身体痛、鼻粘膜の異常のかぜ、インフルエンザ、食欲不振など・・・

この桂枝湯は、漢方の聖典とされる「傷寒論」に出てくる最初の処方。

筋肉がない人、汗をかきやすい人、かぜを引くと、

食欲が落ちてしまう人によく効きます。

一般的には、かぜの初期といえば葛根湯といわれますが、

肉体労働をしていない人や、高齢者が

かぜを引いてしまったら、私の場合は、桂枝湯から考えます。

もうひとつ大事なのが、桂枝湯を飲んでから、重湯を飲み、

厚着をしてカラダを温めるということです。

この3点セットを一つでも怠ると桂枝湯本来の効き目が薄れる

ということを肝に銘じてください。重湯ができないときは、葛湯で代用します。

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桂枝加竜骨牡蠣湯  眼精疲労に・・・

生薬

桂皮、芍薬、大棗、生姜、甘草、竜骨、牡蠣、以上7味。

効能・効果

虚弱体質で疲れやすく、興奮しやすいものの次の諸症状:

精神不安、不眠症、眼精疲労、性的ノイローゼ、インポテンツ、夢精、

夜泣き、小児の夜尿症、小児痙攣、ふけ、脱毛など。

桂枝湯に竜骨、牡蠣を加えたもの。

竜骨は、古代の哺乳動物の化石で、牡蠣は、牡蠣の殻です。

科学的には、どちらもカルシウム質を主成分として、

鎮静、強壮の効果があると言われています。

また、竜骨には、アミノ酸かと思わせる成分とともに

未だわからない成分も含まれています。

牡蠣は、単にカルシウムとしてだけでなく、漢方では、堅いものを軟らかくして、

心窩部のつかえや動悸を治す効果もあります。

パソコン、スマホ、液晶テレビ、ゲームなどの普及により、

眼精疲労によく使います。

また、眼精疲労からの首こりなどにもよく使い、夜中に目が何度も覚めてしまう人、

眠りが浅く、自律神経興奮症の人によく効きます。

ポイントは、自覚あるなしにかかわらず、

感情の浮き沈みの幅が大きい人の様々な症状、

頭痛、不眠、首こり、肩こり、目の痛みなどが特徴です。

男性不妊症にもよく功を奏します。

人工光を浴びる現代では、欠かせない漢方でもあります。

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桂枝加黄耆湯  皮膚がかぶれやすい・・・

生薬

桂皮、芍薬、大棗、生姜、甘草、黄耆、以上6味。

効能・効果

体力が衰えているものの、ねあせ、あせも、手足のしびれ、腰痛、副鼻腔炎、蓄膿症

多汗症、皮膚のかぶれ、虫刺され、知覚異常など。

ベースは、桂枝湯。桂枝湯に黄耆が1味加えたもの。

黄耆建中湯と生薬は、似ていますが、黄耆建中湯は、

桂枝加芍薬湯に黄耆(飴)が入ったもので

黄耆建中湯は、太陰病に位置し、桂枝加黄耆湯は、太陽病に位置します。

黄耆は、皮膚のエネルギーを補い、冷たさを除くといわれ、

ねあせや多汗を治します。

また、抗アレルギー作用、抗菌作用、血圧降下作用、

強精作用もあると言われています。

体質は、カラダに熱があり、皮膚がシメジメと汗がでて

カラダが重く気分がすぐれないものに使うとあります。

皮膚にジメジメした湿疹ができやすく、虫刺されの後が治りにくく、

化膿しやすい人に良く使います。

当店でいままで一番印象的だったのは、5年間帯状疱疹に苦しみ、

顔面に針が刺さっているような痛みが一瞬で消えたことです。

他には、副鼻腔炎の痛みや鼻がグジュグジュの人にも良く使います。

また、腰痛のしびれなどにもよく使う漢方です。

桂枝加黄耆湯