胸脇苦満3  胃の弱い人は

胸脇苦満の状態に、柴胡と黄芩は良く使います。

しかし、胃が弱い人にはいきなり入れると胃がおかしくなる人がいます。

胃の弱い人には、まず胃を立て成さなければいけません。

そこで心下痞に苦情がいるかどうか、

また、胃酸が出ない状態なのか、胃自体が動かない状態にあるか

などを見極めて漢方を選びます。

間違いやすいのが、肋骨弓下のみに苦情がある場合です。

もし、心下痞にも苦情があれば、柴胡ではなく、黄連、茯苓剤を使います。

つまり、胸脇苦満のような症状で実は心下痞に症状がある場合は、

柴胡剤の前に黄連、茯苓剤を使い、心下痞の苦情を取ってから

柴胡剤を考えた方がよいわけです。

では、どんな状態のとき柴胡剤か・・・

肝・胆・心・脾・胃が過労して、その部分に熱を生じているときです。

もし、それらが虚していたならば、使えないということ。

胃も肝も過労していめだけで虚していない胃の疾患にだけ

柴胡を使い、柴胡剤が合う人は、

心下痞が起こらないというのが条件になります。

その見極めは、難しく探りをいれながら漢方を飲ませます。

このように胸脇苦満、肋骨弓下、心下痞の症状は

とても難しく、経験が必要となります。