胸脇苦満の状態に、柴胡と黄芩は良く使います。
しかし、胃が弱い人にはいきなり入れると胃がおかしくなる人がいます。
胃の弱い人には、まず胃を立て成さなければいけません。
そこで心下痞に苦情がいるかどうか、
また、胃酸が出ない状態なのか、胃自体が動かない状態にあるか
などを見極めて漢方を選びます。
間違いやすいのが、肋骨弓下のみに苦情がある場合です。
もし、心下痞にも苦情があれば、柴胡ではなく、黄連、茯苓剤を使います。
つまり、胸脇苦満のような症状で実は心下痞に症状がある場合は、
柴胡剤の前に黄連、茯苓剤を使い、心下痞の苦情を取ってから
柴胡剤を考えた方がよいわけです。
では、どんな状態のとき柴胡剤か・・・
肝・胆・心・脾・胃が過労して、その部分に熱を生じているときです。
もし、それらが虚していたならば、使えないということ。
胃も肝も過労していめだけで虚していない胃の疾患にだけ
柴胡を使い、柴胡剤が合う人は、
心下痞が起こらないというのが条件になります。
その見極めは、難しく探りをいれながら漢方を飲ませます。
このように胸脇苦満、肋骨弓下、心下痞の症状は
とても難しく、経験が必要となります。