風邪というと急性気道炎、呼吸器の急性炎症ですが、
嘔吐、腹痛、下痢が加わった胃腸型の風邪もあります。
これらの症状のなかで嘔吐がある場合は、
まず嘔吐を止めることが先決。
そうでないと他の漢方を飲んでも吐いてしまうからです。
そんな時は、五苓散を良く使います。
五苓散を重湯、またはくず湯に溶かし冷ませて少しづつ飲ませます。
吐き気がある場合は温服するより冷服のほうが吐き気が止まります(二日酔いも)。
吐き気が治まったら桂枝湯、下痢がひどい場合は黄芩湯、
腹痛がひどい時は、桂枝加芍薬湯の順で飲ませます。
この飲ませ方は、胃腸型の風邪のみならず、
食中毒やノロ、ロタウイルスなどによる胃腸炎のときも同様です。
黄芩湯を飲ませると下痢が良く止まるので、「下痢は止めない方がいいのでは?」
と質問されますが、下痢止め薬とは違い無理やり止めているわけではありません。
自分の力で下痢が止まるので心配いりません。