動悸に使われる生薬3つ目は牡蠣。
牡蠣にはカルシウムイオンにより鎮痙作用があります。
カルシウムイオンの働きは・・・
・心臓機能亢進を鎮める
・小便不利を治す(血管からの細胞液滲出抑制)。
・痙攣を鎮める(神経、骨格筋の興奮を鎮める)。
このように心臓の機能亢進状態のときに牡蠣を使います。
心臓は胸にあり、胸の動悸、または、胸から出た動悸が
腹部動脈にまで降りてくるときもありますので、腹部動悸も使います。
つまり、牡蠣は胸部、腹部動悸を鎮めるのに使います。
カルシウムイオンに相拮抗するのがマグネシウムイオン。
マグネシウムイオンの代表的な生薬は、石膏。
石膏を心臓の弱っている人に使うと、心臓を支配する自律神経が
亢進しすぎて心臓に余計に負担をかけてしまうことがあります。
その点、牡蠣は、交感神経優位型の現代人には、よく使われます。
牡蠣の入った漢方は、桂枝加竜骨牡蠣湯、柴胡加竜骨牡蠣湯など。