生薬
麦門冬、半夏、大棗、人参、甘草、粳米、以上6味。
効能・効果
痰の切れにくい咳、気管支炎、気管支喘息、咽頭炎、肺炎、のどの乾燥感、刺激感、
高血圧症、動脈硬化症、脳出血などで、のぼせ感が強く、あるいは言語しぶり、
あるいは咽喉不利感があるもの、妊娠咳で、咳をすると小便が漏れるものなど・・・
竹葉石膏湯より竹葉と石膏を去り、大棗を加え、
麦門冬を増加したものといわれています。
麦門冬、人参が津液不足を補い、半夏が肺気を補い気道を開きます。
人参、大棗、粳米は、胃気を補い、肺の虚を補助します。
竹葉と石膏がないということは、熱と渇がない状態ということです。
痰はあまりなく、あったとしても痰が切れにくい激しい空咳がでるときです。
また、喉が詰まって呼吸が苦しくなってしまうような咳によいとあります。
≪金匱要略≫のなかで「大逆上気して・・・」とあります。
大逆上気というのは、顔を赤くして咳き込むような状態で、
気が突きあげてくるものです。
このことから高血圧でのぼせ感が強く、ふらついてしまうようなときにも効きます。
風邪をこじらせて声がでないようなとき、すなわち声枯れのように
喉が乾燥しているときにもよく効きます。
花粉症のときの鼻水が麦門冬湯で治まることもあります。
いずれにしてものぼせがあり、気が上がってしまいやすい人に良く使います。