咳2 どこに原因があるのか・・・

咳といってもいろいろな種類があります。

その前にどこに原因があって咳がでているのか?を考えます。

1肺に炎症や熱があるとき・・・柴胡剤。

2肺の働きの亢進のときは、心臓の働きを抑える・・・杏仁剤。

3肺の炎症からの分泌物があるとき・・・麻黄または蘇葉。

4腎の弱りからくるホルモン不足→分泌不足(渇き)→硬い痰・・・麦門冬剤。

これらをそれぞれ次回より説明します。

咳1 かぜからの咳に・・・

風邪から咳になる人が増えてきました。

例年より早くインフルエンザや風邪が流行っています。

私の予想では、今年の夏は、長く酷暑だったため、

胃腸が冷えて水浸し状態なので当然免疫力も落ち、

風邪を引きやすい状態にあります。

五行でも肺の親は、脾。

親である脾が弱ると肺に影響します。

脾を補いながら咳を鎮めるような漢方が必要になります。

ここでも脾の立て直しを考えながら咳の漢方を選んでいきます。

とにかく“腸活”で免疫力をつけることが今シーズンは重要になります。

胃の陰病 鞭打つ生薬で・・・

胃の不調で陰陽証のときは、怠けている胃に対して

もっと働け!と渇をいれて胃を動かします。

それは、辛い刺激成分、たとえば乾姜などで刺激します。

するとびっくりして胃が働きだします。

一方、陰虚証の場合は、体力がないのでこの辛み成分を入れると、

余計疲弊してかえって悪化してしまうので注意が必要です。

もともと体力がなく食が細い人、胃弱体質の人、強度の胃アトニーの人など。

このような人には、使えないので甘い生薬を使います。

これらのことから、簡単にいうと、胃酸の量は、出すぎているのか、

出ないのか、胃自体の働きは、働き過ぎが怠けているのか?を

見極め、その上で漢方を選びます。

刺激する漢方か、栄養を補う漢方かとその人に応じで選びます。

陰虚証の生薬として有名なのが“人参”です。

人参は、内外分泌物を出させる働きがあるからです。

胃の陽病 生薬は・・・

では、胃の不調を治すとき陽実証のときは・・・

胃酸が出すぎているので苦味健胃薬である黄連、せんぶりなど。

陽虚証のときは、あまり体力がない状態なので

苦い生薬では強すぎるのでほろ苦い生薬、

苦みが少ない生薬を使い、たとえば、橘皮、橙皮、陳皮などです。

どちらでも使える便なものに胆汁の加減法があります。

体力がある人は、多めに使い、ない人は、

少なめに使うことが出来るからです。

胃腸病3 両刀使いは・・・

では、苦いものも好き、甘いもの、辛いものも大好きという人は?

このような人は、陽病で考えます。

胃の機能が衰弱している陽病です。

陽病のなかの陽虚証としてとらえればよいわけです。

胃の不調を考える時、陽病の中でも、比較的体力がある陽実証と

虚弱な体質の陽虚証があり、陰病の中でも、働きが鈍っているけれども

体力は比較的ある陰実証、働きも鈍っていてしかも体力がない陰虚証があります。

まとめると4つのパターンがあるということ。

・陽病・・・陽実証、陽虚証。

・陰病・・・陰実証、陰虚証。

病人を見分ける場合は、胃の働きをみます。

働き過ぎか、怠けているか?

そのなかで体力があるかないかを見分けて実証、虚証を判断します。

胃腸病2 胃に熱がないと・・・

胃の不調でも胃に熱がない時、すなわち陰病のときは・・・

苦いものが苦手で、オブラートがないと飲めない!と言う人は、

甘いもの、辛いものを胃に入れようとします。

胃酸が少ない人、胃自体が弱って働きが鈍くなっている人は、

甘いものや辛いものを胃に入れることで胃酸を出させようとしています。

例えば、お寿司屋さんでガリをたくさん食べる人、

牛丼屋さんで紅ショウガをたくさんのせる人、

食後にチョコや甘いものを食べて食事が終わる人は、

胃酸の出が悪いか、もしくは食べ過ぎで胃自体が弱って機能低下を

起こしているかです。

このような人は、人参や乾姜の入った漢方が飲みやすく

胃の働きが正常になり胃の不調が改善していきます。

胃腸病1 胃に熱があると・・・

胃の不調の場合、まず陽病か陰病かを見分けます。

胃に熱があるかないか?

熱がある場合は、陽病、熱かない場合は、陰病。

胃に熱があると人間の治癒本能で冷やそうとします。

では、冷やすためにどのようなものを好むか?

それは、苦いものを好むようになります。

例えば、胃酸過多症で胃酸が出すぎて潰瘍や炎症が起きているときは、

苦味健胃薬を与えると治ります。

胃に炎症があると苦いものを絶えず胃に入れるので口も苦くなります。

また、口が苦く慢性化しているときは、

苦い薬を飲んでも平気で飲めるのです。

このように胃に熱があるときは、苦い生薬の入った漢方を

平気で飲むことが出来、胃熱がとれて改善するわけです。

桔梗4 去痰 

桔梗には、去痰作用があります。

どんな痰でもいいのか?

柔らかい痰には不向きでどちらかというと硬い痰に効きます。

喉が痛くて唾も飲みこめないようなときに桔梗石膏を

良く使いますが、それだけでは不十分で、柴胡剤を併用します。

炎症が強い時には、小柴胡湯や大柴胡湯など。

では、咳の場合は・・・

空咳でも喉の奥の方に痰があり、出そうとしてもでなく、

そのために咳が止まらないようなときによく麦門冬湯をつかいますが、

それでも出ない硬い痰の場合は、桔梗の入った漢方を考えます。

 

桔梗3 排膿 

さて、前回桔梗の効能のつづきです。

今回は、桔梗の排膿作用について。

桔梗には、膿などを溶かすサポニンを含んでいます(プラチコジン)

桔梗の排膿力を引き出すために、枳実、芍薬を組み合わせます(排膿散)。

枳実と芍薬は、化膿した部分を緩めてつぶれやすいようにすることで、

桔梗の排膿効果を高めているわけです。

排膿散は、疼痛をともなう化膿性の腫れもので、堅くなっているもの。

急性や発熱性の激しいものによく使います。

化膿したときに使う有名な漢方に十味敗毒湯にも桔梗は入っています。

台風24号 被害は・・・

みなさん、台風24号の被害は大丈夫でしたか?

被害に遭ってしまった人たちには、心よりお見舞い申し上げます。

群馬県桐生地区は、日曜日夜の11時ごろから強風と豪雨でした。

強風で一番心配なのが“看板”。

どうにもならないことなので心配することをやめて、寝ることに。

しかし、やはり寝付けませんでした。

良くカラダを観察してみると、なんとなく“胸騒ぎ”がするのです。

そこで、さんなときによく使う漢方を一服。139するといつの間にか爆睡。

よく朝、店に来ると、看板は大丈夫でしたが、

店が水浸しで商品が濡れていたのです。

さらに、ベランダも同様。思わぬところに被害が出るものです。

引っ越して10年、店の中に水が入ったのは今回初めて。

次は、対策をねって入ってこないようにします。

まだ起きないことを心配するのではなく、起きてから考える。

そう決めることで余計な心配をしないですみます。

心配性の人は、参考にしてください!