陽病と陰病7 小便の・・・

小便がうすい色の小便がたくさん出る場合は、陰病。

ただし、神経の異常亢進からくる頻尿は、別と考えます。

一方、陽病の小便は、どうなのか?

陽病の場合は、神経性の尿意を催すことが多くなります。

神経が緊張して小便が近いのは、神経性小便頻数(ひんさく)。

腎臓や膀胱の機能低下の状態なのか、神経の異常亢進からくるのかを

見極める必要があります。

問診でも難しいのが、小便が出ていても量まではわかりません。

そこで参考になる問診は、不眠があるか、神経が興奮しやすいかです。

普段は、陽病の状態でも疲労度によって陰病の状態に陥ることが

多々ありますのでその辺の見分けも重要となります。

他には、膀胱炎、尿道炎などの炎症によって近くなる場合もあります。

 

陽病と陰病6 大便の・・・

機能亢進か機能低下なのか排泄物でわけることができます。

まずは大便。

大便が柔らかい時は、腸の蠕動運動が盛んになっています。

つまり、機能亢進状態。

陽病は、もともと腸の蠕動運動がいつも盛んになっているため、

下痢をしてもこたえることがありません。

一方陰病の状態というのは、腸の機能低下状態。

そんなときの下痢は、下痢の後の腹部の苦情が生じます。

下痢の後気持ち良いか、腹部になんらかの苦情があるか

で区別しても良いでしょう。

前者が陽病、後者が陰病の状態ということです。

陽病と陰病5 熱の見分けは・・・

何が必要熱で何が不必要熱なのか?

それを見分ける方法は・・・

不必要熱は、本能でその熱を発散しようとします。

必要熱は、発散を嫌い、温存しようとします。

簡単にいうと、冷やすと心地よいか、温めると気持ちよいかです。

不必要熱は、熱を取り除いてやる、必要熱は、熱を与えてやるということ。

つまり、陽病は、熱の症状、陰病は、寒の症状と考えると

わかりやすいと思います。

もし、病状が陽病なのか陰病なのか判断がつかない場合は、

陰病として漢方を選びます。

また、虚実がわからない場合も、虚の薬方からが治療の鉄則といえます。

風邪で例えると、桂枝湯か麻黄湯、どちらかわからないときは、

桂枝湯から飲ませて様子をみることです。

逆に桂枝湯の人に麻黄湯から先の飲ませると、治りが悪くなります。

 

陽病と陰病4 熱でみると・・・

陽病と陰病を熱でみてみると・・・

陽病の場合は、炎症も起こしやすく、その病気に対して

退治しようとしての熱、つまり不必要熱といえます。

その結果として体温が上昇します。

対して陰病は、臓器が働くための使えるエネルギーが足らないため、

機能低下を起こしている状態といいましたが、

そんな時に病気の原因が入ってくると、本能的に病気と闘おうとします。

しかし、エネルギー不足のため熱量が不足してきて低体温になりやすいのです。

体温を使って戦う結果、体温が下がるわけです。

では、体温を使わないとすると、どうなるのか?

臓器が働くための必要な熱を作らなければならず、

必要熱を作るためにカラダがボーと熱が出る場合があるのです。

陽病の熱は、不必要熱、陰病の熱は、必要熱といえます。

陽病と陰病3 自律神経では・・・

陽病と陰病は、自律神経でみてみるとどのような状態なのか?

陽病は、各臓器の新陳代謝が亢進すると自律神経も興奮します。

逆に陰病は、機能低下にともない自律神経も鈍化します。

つまり、交感神経が高ぶりすぎて起きている症状を陽病。

副交感神経が優位になりすぎて起きている症状を陰病。

炎症でいうと陽病のときのほうが強く現れ、陰病のときは、

炎症が起きていることが分かりにくいとも言えます。

陽病と陰病2 虚実とあわせると・・・

では、虚実と陰陽というものがどういうものか?

ここが漢方を理解するのに大切です。

わかっていそうでわからないところで私も悩みます。

私たちの体内の各所にエネルギーなるものが各細胞あるいは肝臓に貯えられます。

このエネルギーをたくさん貯えている人を実、エネルギーが少ない人を虚と

言う表現で分けています。

これは、太っている、やせているとは違います。

陽病というと実の人しかならないと思われがちですが、

虚の人も持っているエネルギーが余分に使われ過ぎて亢進します。

逆も真なりで、陰病も実の人もなりうるのです。

つまり、エネルギーの多少にかかわらず、新陳代謝機能が亢進すれば、

陽病、低下すれば陰病ということです。

陽病と陰病1 新陳代謝機能が・・・

漢方を選ぶうえで覚えていただきたいのが、いろいろあります。

なかでも陽病なのか陰病なのかについて・・・

陽病と陰病は、どう違うのか?

簡単にいうと新陳代謝が亢進しているか、低下しているかです。

亢進しているがゆえに起こしている症状を陽病。

機能低下しているがゆえに起こしている症状を陰病。

別の言い方をすると、体内に蓄えてあるエネルギーが有り余り、

臓器の働き過ぎが原因で起こる症状を陽病。

逆に体内のエネルギーがあろうとなかろうと各臓器の新陳代謝に

使われない状態で機能低下が起きている状態を陰病。

陽病は、働き過ぎ、陰病は、怠け過ぎと覚えてみては。

 

六臓六腑  五臓六腑は・・・

五臓六腑は、よく聞きます。

では、五臓とは・・・

肝・心・脾・肺・腎。

六腑は・・・

胆嚢・小腸・胃・大腸・膀胱・・・一つ足りない?

それがわけわからない「三焦」と呼んでいます。

臓腑は、一対になっているといいました。

すると三焦にたいする臓器は・・・

この臓器を「命門」と名付けたのです。

命門は、現在の副腎に相当するというのです。

では、三焦は、なんといえばわかりやすいのか?

命門からホルモンを受けて三焦が動くということは、

自律神経に相当すると考えられています。

これら六臓六腑は、経絡を知るうえでとても大切ですので

興味のある人は、良く覚えておくとよいでしょう!

臓と腑2 腎臓と膀胱・・・

腎臓には糸球体がびっしり詰まっていて、血液を濾過して、

尿細管で再吸収され、腎臓で小便が分泌されます。

その小便をどこで溜めておくかというと、膀胱です。

この膀胱の中は、袋になっていて空洞になっています。

この場合、腎臓が臓、膀胱が腑となります。

ここで面白いのが、肝臓では、胆嚢という袋が一つ。

しかし、腎臓は、左右2つあるので受け取る側の膀胱も2つ。

このようにきちんと対になっているわけです。

陰陽でいうと臓が陰、腑が陽となっています。

経絡の流れからいうと臓は、下から上へ、

腑は、上から下へと流れる方向も決まっています。

臓と腑1 肝臓と胆嚢・・・

私たちの体内には、臓と腑があります。

では、見分け方は?

臓は、ぎっしり詰まっていて内部が充実しているもので、

その臓から何らかの分泌をするもの。

腑は、その作られたものが溜められるところなので普段は、空。

たとえば肝臓。

肝臓から胆汁が作られそれを胆嚢という袋で溜められます。

この場合肝臓が臓、胆嚢が腑となります。

胆嚢は、胆汁が溜められるように空洞になっています。

明日は、腎臓と膀胱です。・・・つづく。