酷暑 高温警報が・・・

漢方のことを書いてましたが、このような酷暑と熱中症で

命をなくす人が多いのでそのことに関して書くことに。

今年は、異常ということを自覚した方が良いと思います。

本来ならそろそろ梅雨があけるかな?

ところが今年は、一ヶ月も前に開けてしまった。(関東地方)

そして連日35℃を超える酷暑。

高温警報が出ているにもかかわらず、

熱中症で倒れる人、亡くなった小学生と痛ましい事故ばかり。

例年通りの行事だったとの弁解。

そもそも今年は例年通りでないということが理解できていないよう。

その犠牲者になった人たちはたまりません。

そこで、会社や学校の言いなりになるのではなく、

自分の意志で部活、合宿、会社の外仕事は、休むという選択があっても

よいのではないでしょうか?

また指導者の立場にある人は、この異常気象を受け止めて

中止するという判断も必要ではないでしょうか?

何よりも人の命の方が大切です。

この暑さ続きは、災害といってもよいのですから・・・

厥陰病  心臓が・・・

厥陰病とは、どのような状態か?

この段階になると心臓が衰弱している状態。

すると心臓からと遠い部分。

つまり、手足が冷え、さらに心臓に負荷がかかり、

至っては心臓に痛みが走るような状態にもなってきます。

心臓の衰弱→手足の末端まで血液がいかなくなる→末端の冷え

→心臓にムチを打つ→心臓に痛みが走る。

手足から逆に冷えてくる状態を漢方では「厥逆」または「厥冷」ともいいます。

このような状態には、心臓を復活させるのに附子を使います。

また、毛細血管に対して血液の供給量を復活させる賦活剤が乾姜です。

厥陰病につかう処方は、附子、乾姜の入っているものを使います。

例外として覚えて欲しいのが人参湯。

太陰病としては、人参を主として使うときは太陰病。

乾姜を主として使う場合は、厥陰病にも使うことがあります。

人参湯を太陰病に使うのか厥陰病に使うか幅が広いのも漢方の妙味のひとつです。

 

少陰病  休息状態 

少陰病とはどのような状態か?

病気に対して攻撃する体力はなく、防戦一方の状態。

活動するエネルギーがなく休息状態

積極的に病気を治そうというエネルギーがなく、

全身の体力を作り、消耗を少なくしている状態とも言えます。

では、部位は?

主として体表。

筋肉、皮膚、手足、神経、脳というすべてが休息している状態、

全ての機能が低下している状態です。

例えば、横になっていたい、起きているとしんどい、

クラクラする、よろよろする、目が回るなどの症状です。

体表が主ですが、これがひどくなると、腹部、胸部にも及ぶことがあります。

まとめると、太陰病は、腹部と体表、少陰病は、体表と腹部、胸部までに

症状がでてくると覚えると良いでしょう!(見極めが実は難しいものです)

太陰病2 機能低下の状態・・・

腹部臓器の機能低下状態における不調とは・・・

まずは、大腸。

便秘の状態は、弛緩性です。あるいは兎便様のコロコロ便がでることがあります。

便秘でない場合は、下痢、消化不良の下痢です。

次は、小便。

小便の出方が悪く、むくむ時があります。(少陽病でもある)

または、アトニーが強くなると腎臓、膀胱の働きが悪くなり、

小便が近くなります。見分けとしてはこちらの方がわかりやすくなります。

3番目は、生殖器。

低下していると生理不順、貧血性の生理、不妊などです。

まとめると太陰病は、血液が足らなくなり、あるいはホルモンの働きが

弱くなって腹部臓器に症状がでるということですが、

その余波が、体表部にでることがあるということ。

例えば生理ときに頭痛という症状が起きる人がいますが、

この頭痛は子宮。卵巣の働きの機能異常が

体表部にまで及んだ頭痛ということになります。

もし、肝臓、胃、心臓、肺に対しては苦情がないのも特徴。

生理のとき、胃がおかしくなるというのは、太陰病としては扱いません。

 

太陰病1 腹部臓器に・・・

三陽病の次は、三陰病です。

ますば、太陰病から。

今度は陽性ではなく陰性の闘病反応が主として腹部臓器に出ている状態。

今までは不必要熱でしたが陰病は、必要な熱が症状を起こしている状態。

主として腹部臓器ですがその余波がほかの場所にでることがあります。

余波はどこにでるのか?

体表で胸部には及びません。

腹部臓器は、どこをさすのか?

腸・腎・膀胱・生殖器系です。

そこでおさらい。

必要熱を欲しているとは、どのような状態か?

簡単にいうと、機能低下が起きている状態です。・・・つづく。

 

三陽病  慢性化すると・・・

太陽、陽明、少陽と説明しましたが、病気が慢性化すると、

はっきり分けられなくなってきます。

それぞれが混ざり合った症状も多々見受けられます。

  • 太陽、陽明、少陽の3つが混ざった時・・・少陽病。
  • 太陽、陽明の2つが混ざっているとき・・・太陽病。
  • 陽明、少陽の2つが混ざっているとき・・・少陽病。
  • 太陽、少陽が重なり合っているとき・・・・少陽病。

よくわからないときは?

少陽病として扱ったほうが無難です。

ただし、陽病であることが前提にはなります。

少陽病 胸部に・・・

少陽病は、どこに闘病反応があるのか?

主として「胸部」。

漢方での胸部とは?

肋骨で囲まれている臓器のことです。

呼吸器、肺、気管支、心臓、肝臓、胃のことを指しています。

えっ?胃と肝臓は、肋骨よりも下にない?

なんて思うでしょうが、肋骨が少しかかるので胸部に含まれます。

ここでも主としてといっているのは、胸部で闘病反応が原因で

その余波が体表部、腹部にも及ぶことが多々あるからです。

今年の夏は、梅雨明けが早く、猛暑が続いていますが、

それに伴い不眠という症状を訴える人が増えています。

不眠症のほとんどが少陽病としてとらえます。

参考までに眠くてしょうがない、だるくてしょうがないなどの症状は

この後で説明する太陰病としてとらえます。

陽明病 腹部に・・・

陽明病の闘病反応は、どこか?

主として腹部(腸、子宮、腎臓系統)です。

太陽病は、体表だけの症状でしたが、陽明病は、腹部だけの場合も

ありますが、その余波が体表に出る場合もあります。

胸部には苦情を及ぼさないのが特徴になります。

つまり、闘病反応が、陽性、熱性で主として腹部、その余波が体表部にも

及ぶことがあると覚えてみて下さい。

では、見分け方は?

便秘が原因の「のぼせ」が強くなります。

しかも比較的体力がある人というのが条件になります。

さらに充血しやすい人ともいえます。

「のぼせ」は、問診してみても自覚ある人は少なく、

のぼせに付随する症状、便秘からくる肩こり、首こり、

背中の張り、腰痛などの症状を見逃さないようにします。

体質が比較的弱い人でも貧血が強くでることもあるので注意が必要です。

太陽病 体表部に・・・

傷寒論では、病態を六つにわけます。

まず太陽病。

熱でいうと不必要熱。

病気とどこで戦っているのか?

体表部。

つまり、毛・皮膚・筋肉・骨など。

ここでは、内臓を含まない体表だけということ。

では、どの体表部に出るのか?

それは、その人の弱いところにでます。

私の場合は、風邪を引いても頭痛にはなったことがなく、

まず喉に症状がでます。

太陽病にならない人はどういう人か?

内臓・・・肝臓・心臓・胃・腸・肺・腎・膀胱などが弱い人は、

太陽病を引き起こさないというより引き起こしにくいものです。

太陽病状態で使う漢方に桂枝湯、葛根湯、麻黄湯などがあります。

三陽病と三陰病  一日の太陽の動きと・・・

陽病と陰病を説明しましたが、陽病、陰病にも3つの型に

わけて考えてその人の症状がどの状態にあるのかをみます。

陽病では、熱の出始め、熱のピーク、熱が下がってきた時期にわけ、

陰病では、寒が少しでて、どんどん寒が増え、

ほとんど冷え切った状態などにわけます。

順番でいうと太陽病→陽明病→少陽病→太陰病→少陰病→厥陰病にわけます。

これは一日の太陽の動きに似ています。

しかし、すべてこの順番に病状があらわるということではなく、いきなり少陰病に

落ちてしまうということも多々ありますので注意が必要です。

三陰三陽